色んな洋服に使われているチェーンステッチ。
私が好きなデニムの服にはほぼチェーンステッチがあります。
今回はデニムでのチェーンステッチに焦点を絞ってお話したいと思います。
チェーンステッチって?
そもそもチェーンステッチとは何かというと、名前の通り、裏側がチェーン(鎖)状に見える縫い方のことです。
これです。↑
表から見ると一本線に見えます。
ジーンズの裾上げサービスはチェーンステッチかシングルステッチかで選べたりしますよね。
シングルステッチは、裏も表と同じように一本線に見えます。
チェーンステッチってどうやって縫うの?
とても複雑そうに見えますが、手で縫われている動画を見つけました。
糸を下から上に通す時に、針先に糸がかかるようにして縫っていたんですね~。
勉強になります(゜_゜)
デニム好きはチェーンステッチが大好き?
こだわりのある人は、ジーンズの裾上げはチェーンステッチにする方が多いです。
どうしてでしょうか。
世間に出回っている多くのジーンズは、洗濯で縮まないように「防縮加工」が施されています。
ですが、中には防縮加工がされていないジーンズもありまして。
そうすると、穿き込んでいくうちに伸びていく綿100%のジーンズ君は、洗濯・乾燥するとガツンと縮んでしまうんです。
その時、ステッチ周りにも縮みが生じて、パッカリングと呼ばれるうねうねが生じます。
こんな感じです。
正確に言うと、生地を縫い合わせた時に元々あったシワが、伸び縮みすることによって、より顕著に出てくる、という感じです。
そして、ボコボコしたところが擦れて色落ちしていくという経年変化が楽しめるわけです!
こんな感じ。ジーパンじゃないですけど笑
チェーンステッチのパッカリング(うねうね)は斜めに出やすいのが特徴で、所謂ヴィンテージらしいアタリ・色落ちになります。
これが、チェーンステッチでの裾上げが好まれる大きな理由ですね。
チェーンステッチは別に裾だけに使われているわけではありません。
こんな風に、腰回りなど色んなところに使われています。
こういう細かなディテールを楽しむことが経年変化の醍醐味ですね笑
更に細かい話「ユニオンスペシャル」
ヴィンテージのジーンズを再現した、レプリカジーンズなどを好んで穿く方はやはりチェーンステッチで裾上げをする場合が多いと思います。
しかし、同じチェーンステッチでも、ミシンによって仕上がりが異なると言われています。
先述したように、パッカリングをより強く、より斜めに出した、ヴィンテージらしい色落ちを求めると、どうしても現在のミシンではそれが再現できないのです。
そこで登場するのが、ユニオンスペシャル社の「43200G」です。
このミシンは今はもう生産されていないレアものです。
私も詳しいことはわかりませんが…ユニオンスペシャルのミシンは、針が生地面に対して垂直ではなく斜めに向かっています。
(こちらの記事がわかりやすいと思います)
そのため、生地を縫い合わせる時によりねじれが生まれるというわけですね。
殊にそのねじれが得意なブランドが、TCBジーンズさんです。
ワンウォッシュの購入時点でこれです。
同じユニオンスペシャルで仕上げられたフルカウントの裾と比較してみましょう。
どうでしょう?
TCBの方がよりデコボコしていますよね。
実はTCBは、縫製工場のブランドなんです。
ですから、縫製に関する知識が豊富なんでしょうね。
私はこの強いパッカリングがたまりません…!
TCBのパッカリングについては下のブログで沢山見られます。
チェーンステッチには魅力が沢山
いかがでしたか?
ステッチなんて意識しないと知らないと思いますが、チェーンステッチには大きな魅力が詰まっています。
ジーンズやGジャンをお持ちの方は、是非紹介した動画を観ながらご自分のチェーンステッチを眺めてみてください!
物事の仕組みを理解すると、また違った見方ができたりしますよ!